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場所:桐生中央公民館 - ホール
日時:2006年3月25日(土)
会場:9時40分
開演:10時10分
| 時間 | 高校名 | 演目 | 作 | 演出 |
|---|---|---|---|---|
| 10:10〜 | 桐生南 | ごはんの時間 | 青山 一也 | 平塚 あゆみ |
| 11:30〜 | 桐生南 | S・S・Dじゃない | モンゴル代表/チエジウモウ | − |
| 13:00〜 | 桐西 | らせん | 作:寺尾 恵仁/脚色:長谷川 葵 | 長谷川 葵 |
| 14:20〜 | 桐生 | SirenとNight | 原案:山本 雅之/作:土御門 火影 | 小林 祐佳 |
| 15:40〜 | 桐一 | 「野ばら」/「赤いろうそくと人魚」 | 小川未明(小川未明童話集より) | − |
作:青山 一也 演出:平塚 あゆみ
高校の昼休み。お弁当を食べながら始まる雑談。女子5名と男子2名の織りなすコミカルなかけあい。そのかけあいはやがて進路に話になって……。演出意図としては、リアル志向なのかな。
今年度の桐南オールスターズという感じのキャストでした。桐南でおなじみ青山先生の脚本。写真右側で机を並べる女子5名のうち一番左、中央一番右の3名が2年生だと思うのですが(訂正:一番右は1年生だそうです)(たぶん通勤電車〜のときの3名。気づいたら役者を覚えつつあります。)、1年前の女子3名の舞台を思い出し「あぁ、随分と成長したなあ」と思わずには居られませんでした(このままもう2つぐらい高みには行ってほしいけども)。あのときと比べると、随分板に付いてきています。一方、あと2名の女子は……たぶん今まで舞台に出てなかった組だと思いますが、これからの頑張りに期待という印象でした。
一人ずつ。一番右さくら役(通勤電車〜では後藤部長役)。強気で勝ち気で怖いさくら。ギャグキャラみたいもなんですが、そういう立たせ方がうまかったなあと思います。右から2番目美保役。「なりたいと思うんだょ……」みたいに台詞が尻切れトンボ。たぶん台詞を覚えてるかどうか不安でしょうがないんでしょうが(見てる側に伝わってますよ)、間違えてもいいから自信をもって言い切るぐらいの意気込みがないといつまで経っても演技なんかうまくなりませんよ。演技という虚構にはハッタリが大切なんです。進路の話でウキウキ感が出ていなかったりと全体的に台詞に飲まれてるという印象でした。続いて中央(1枚目の写真で左側に立っている)亜由美役。リアリティ(本当に昼休みというムードを出そうと)があるように話そうと一生懸命気を遣っていました。もう一つという感じはしましたが、頑張ってるのはよく伝わりましたし気を遣ってるポイントも正しいと思います。続いて机で左から2番目(1枚目の写真で右側に立っている縞模様の服)の由香役。一生懸命なんだけど、それだけに見ていて苦笑いしてしまう感じの演技でした。一番左、理恵役。声も演技も堂々としていて手慣れてるなあーという印象です。
続いて男子(共に初舞台だそうです)。写真1枚目。おふざけな役柄。よく板に付いた演技してました。写真2枚目の一番左。配役的には真面目君なんですが、声が小さいし演技も…。もっと発声練習しましょう。
さて劇の方。「お昼休み→お弁当→座っているため動きがない」というパターンを逃れるため、色々立ったりするんですが、それでもやっぱり物足りない。リアルに机を4つ寄せて演技してしまってもよかったのではないでしょうか(下図)。他人のお弁当から「もーらい」ってもらったり、携帯をいじったり(高校はそういうのダメかな)、お菓子を食べてながらとか、そういう風にやったらもっとリアリティが出たような気がします。いっそ本名(普段の呼び名)で演技してしまったのでもよかったのでは、とふと思ったりもしました。
ラストはBGMでゴリ押しして、進路の選択は待ってくれないね的なでオチを付けましたが、全体が別にそういうテーマでもないのでオチ放棄とかギャグに逃げる手もあったかなと思いました。全体的にはよかったと思います。上演おつかれさまでした。
作:モンゴル代表/チエジウモウ 演出:(表記なし)
3年生卒業記念劇みたいなもんです。バンドグループという設定の3名、ギャグもの。顧問先生ネタ(この劇ではじめて顧問の先生を拝見しましたが)とか、「小学校の宿題で変な写真が必要」と言う通勤電車〜ネタとか(どうせならあのときの小学生の格好で出てくればよかったのに)、そういう桐南内輪ネタ満載の劇で、最後に歌を歌って終わりという感じのやりたい放題、面白かったです。3年間おつかれさまでした。
作:寺尾 恵仁 脚色:長谷川 葵 演出:長谷川 葵
主人公優(ゆう)の元に悪魔が訪れるところから物語が始まります。あと一ヶ月の命であると告げる悪魔とは、実は命を刈る宿命を背負っていた……という感じのシリアス劇です。
見ていて「2流メロドラマですか……」という感じの、なんというかいまいち締まらない感じの進行と演技と脚本でした。台詞とかかけあいとか……ね。テーマ的には「生きる」「存在」「価値」なんですけど直接的な明示ばかりで「暗示(隠喩)」や「メタファー」を使いましょうというのがアドバイスかな。写真を見てもわかるとおり、正面のライトを使わず天井ライトのみなので役者が影になってしまっています。致命的。
とはいえ、桐生西高校は毎回一生懸命作ってきているので、好感を持っています。取り組みの一生懸命さとは裏腹に演劇に詳しい人が居ないんだろうなという印象。他校の詳しい顧問の先生とか、演劇の技術のある他校演劇部に見学に行くとか、その他演劇に詳しそうな人とかにアドバイスをもらうようダメ元でいいからお願いしてみることが大切だと思います。そういうことを月1でもやってれば、かなり違うと思うんですけどね。
原案:山本 雅之 作:土御門 火影 演出:小林 祐佳
結構した姉のもとに妹が遊びに来た。日曜日なのに仕事で出て行く姉の夫をよそに二人で遊び始めるのだけど。家の中で何かするたびに(高感度センサーの?)サイレンが鳴ってしまい警備会社が。ギャク仕立ての劇です。
まあドタバタなんだと思いますけど…。桐生西高校同じく頑張ってるんだけどなあ……という感じです。今回も桐生高校色ではあるんですけど、一度でいいからそこそこ名の通ってる台本をやってみると色々な意味で勉強になるのではないかなと思いました。
作:小川未明(小川未明童話集より) 演出:(表記なし)
桐生第一高校、前回のクリスマス公演に引き続き、今回も朗読劇です。
「野ばら」。国境を挟んだ2つの国の2人の兵士のお話。一人は老人(右)、一人は青年(左)。舞台中央にみえる青い線が国境線で、奥の花が「野ばら」です。
黒子は読み手なんですが(でも暗唱)、左側の人、もう少しだけ「ゆっくり」「はっきり」話すともっとよかったと思います。多少自信なさげなのが伝わってきまして、間違えてもいいですから自信を持ってやりましょう。また和風オペラみたいな感じで、歌を随所に使ってくるのですが、これもまた良い感じでした。ムードを出して歌えてたと思います(特に左の赤い服の兵隊)。ラストシーンで奥の「野ばら」を落とすのですが、分かりにくかったので、もっと一気に落ちるとか工夫はできなかったのかな……と思いました。
「赤いろうそく」。人魚が子供を人里で育ててもらい幸せになるようにとおいた。その子供を拾ったおじいさんとおばあさんは、その人魚を育てる。ろうそく屋だったその家で人魚はろうそくに絵を書くようになる。そのろうそくを山の神社に奉納すると嵐で沈まなくなるとたちまち評判となって、やがてそのろうそく屋に人魚がいると聞きつけた小悪党がやってくるのだけども……。
こちらも朗読劇。人魚役の人が前回(役は忘れた)もそうだったのですが声がきこえません。写真で一番左、最初のシーンで布でうみを表現しているのですが、下から畳が見えているのはどうにも……。あと真ん中がどうしてもたるんでしまいますので、その部分に芯を入れるとか工夫がほしかったところです。おじいさん、おばあさんの演技はまあまあ。一生懸命さが伝わってきました。最後のおじいさん、おばあさんの心変わりはちと怖かったですね。ただちょっと、朗読で「はじめのうちは」と言ってしまったので、心変わりするってのが先に明示されたことと、そこに至る過程に説得力が全く不足していてたように感じました。
さて両方合わせての感想。随所に挟む歌はどうもこのために作ってきているようで(曲を選んで、それに歌詞をつけてると思われる)、それだけでもよく頑張ってるなあと。まだまだ荒削りとのことでしたが、前回から3ヶ月程度でこれだけ作ってくれば上出来だと思います。ライトの当て方とかで失敗もないし、安心して見られる朗読劇でした。
桐高の出演者だったと思いますけど「明暗で目がチカチカする」とか「BGMが多すぎ」とか(客席で)言っていたような気がしました。…まあどうなんでしょうか。和風オペラ(?)チックな朗読劇としてありだと個人的には思いますが。まあどうしても朗読劇なだけに、元々のお話の魅力がほぼそのまま劇としての魅力になってしまうので、いつまでネタが続くかというのはあるのかもしれません。
その他感じたこととして、読み手を黒子として後ろ向き(立っている向きのことではなく比喩表現です)に配置するのではなく、読み手を「読み手という存在」として「演出する」という前向きな方法も考えられるように思います。読み手を通して描いていくという立場をより鮮明にして、あえて台本を持たせて、読み手を「劇」という絵に対するあたかも「指し棒」のように動的に配置する方法もありかもしれません(ただの思いつきなんで多面的な検証が必要ですが)。
この方向性での進化系が興味深いところではありますが、その一方で普通の劇の方もみたいと思います。上演おつかれさまでした。
色々不思議なご縁で、今回4回目の観劇となりました。今までで一番よかったと思います。上演1時間、休憩20分という枠がちゃんと守られていて、どの高校もきちんと取り組んでいて、非常に好感が持てました。演技のレベルを比べたらそれは可哀想ってもんですが、地区発表会としてはまずまずだと思います。上演校のみなさんおつかれさまでした。
要するに大切なのは、レベルだの技術だの云々の前に、やる気と根気と一生懸命さなんじゃないかとそんな風に感じました。基本的にはやる気さえあれば、いくらでもその手の技術に関する情報は調べようがあるんですけど、まあ最近はそういう「調べる」という気持ちというか心意気というか突き詰める勢いみたいのが不足しているのかな。演劇という正解のないパズルは色々なことを学ぶ良い機会なのかもしれません。…と、たまには格好つけて終わってみます(笑)