演劇チェックメモ

過去の講評や感想の中で役立ちそうなことを点検メモ風にまとめておきます。汎用性が高そうなもの、繰り返し指摘されるものを中心に。

  • ひとつの台詞中でのイントネーションの変化に注意。「ぼくは高崎駅に行く」という台詞で、「誰が駅に行くの?」と訊かれれば「ぼくは高崎駅に行く」と『ぼく』が強調されるし、「どこに行くの?」と訊かれれば「ぼくが高崎駅に行く」と場所が強調される。日常会話ではみんなこれを自然に行なっている。(2011年県大会講評より)
  • 台詞の距離感。例えば1m離れてる人に話すのと、3m、5m離れている人に話すのでは声の大きさや発声の距離感が違う。すべての台詞で5m向こうに話しかけるような大声を出すのではなく、距離感の感じられる台詞にしてほしい。(2011年県大会講評ほかより)
  • 演じようとしないで。台詞に無理に感情を込めようとしないで。心を作れば動きや台詞に自然に出てくる。心ができてないから、それを誤魔化すために態度や感情をむりやりにだそうとしていまう。(2011年県大会講評より)
  • 変な登場人物が変なことをしてもそれは普通のことなので面白くない。普通だと思われてる人が変なことをすれば面白い。観客の予想を少しだけ裏切るから面白い。(こちらのブログより
  • 心の距離は、登場人物の物理的な距離に現れます。実際、好きな人には近づきたいし(照れてなければ)、嫌いな人には近寄りたくないでしょう?
  • 体も使って表現しよう。台詞だけで演技しない。台詞だけで伝えようとするから嘘っぽくなるし、真に迫らない。
  • 弱い台詞が重用。強く言うだけでなく、弱く言うことでより台詞を際だたせることもできる。強くいうことだけが感情表現の手段ではない。(多数の講評)
  • どこを弱めようと考える。台詞や動作にメリハリを付けたければ「どこを強めよう」ではなく「どこを弱めよう(動作なら止めよう)」と考えると良い。
  • リアクションを大切に。アクション(台詞を言ったり行動したり)ではなくリアクション(台詞や行動に対する反応)。相手の言葉をうけてどう心が動いてどう反応するかが演技になる。(多数の講評)
  • 軽々しく銃を持つ上演が多すぎます。舞台ではプラスチック製のおもちゃ(模造銃)を使うことが多いと思いますが、通常は金属製でもっとずっと重たいのです。重そうに持つのは結構難しいので重りを仕込むといいと思います。(多数の感想)
  • 型で演技しない。「悲しい演技なので俯く」「怯える演技なので縮こまる」のではなく、登場人物の気持ちを作って本心から怯えた結果としての動作でなければ嘘っぽくなるだけ。

演技以外

  • BGMで感情を説明してはならない。TVドラマと演劇は文法が違う。
  • 壁の高さは8尺で。舞台装置で壁を作るときは6尺パネルだけでなく、最低でも更に1.5尺(45cm)は高くしないと壁(部屋)にはならない。(2004年県大会講評より)
  • 何も考えずに広いステージを全部使うのではなく、その舞台に「適切な広さ」の劇空間を設定する。パネルで部屋が作れなくても照明を中央部に限ったり、左右から幕を寄せて狭めることはできる。
    • 広い空間は人物と人物の距離を広め、心の距離も疎にみせてしまう。狭い空間は人物と人物の距離を狭め、心の距離も密に見せることもできる。
  • (単)サスを使うときは、意味もなく顔が影にならないように注意する。立ち位置の工夫でどうにもならないなら、前サス(前明かり)を併用したり、横からのサイドスポットライト(SS)を当てるなどの工夫を。