新島学園高校「ハニーはどこへ行った」

  • 作:大嶋 昭彦(顧問創作)
  • 演出:三ヶ尻 怜司

あらすじ・概要

謎の穴掘りバイトをしていた男2名。穴からハニワが出てきた。そして時代は遡り、古墳時代と思しき時代へ……。

感想

上手に4段の階段状の段差(低め)、下手奥にちょっとした高さの台という例年の新島よりはシンプルな舞台装置。そして台本も、古墳時代と現代で、勾玉をキーにした男女の縁と、それぞれの時代のうねり。例年の現代劇(人情もの)とは違う雰囲気でした。台本のツッコミどころとか挙げてもいいのですが、それよりも踊ってみたり、ほどほどに緩かったりと、楽しんで演じてるように感じられました。

気になった点。

  • 妙にリアルな車とか電車のSEに、とても唐突感がある。説明的なSEを流さなくても時制(現代)を説明する方法はいくらでもあるし、そもそも時制を説明する必要すらないと思う。
  • 最後のSEが講評によると戦闘機の音とのことで、これから戦争とか起こるという比喩だと思われるけども、普通に聞いてるとただの飛行機やジェット機の音で何のことか分からない。
  • ご当地アイドルの格好が制服に3色のチョッキというシンプルそのもので、もう少しそれっぽいものを用意してほしかった。

一番印象に残っているのは「ハニワのダンス」です。あのBGMが耳に残ってしょうがない(苦笑)

全体的に台本の構成に無理があると思うのですが、それを無理やり解決しようとして台詞が多い。台詞が多いので時間が足りない。時間が足りないので、みんな早口。発声がしっかりしているので、ちゃんと聞き取れるのですが、古墳時代設定では言い回しが難しいので理解がワンテンポ遅れる。ワンテンポ遅れるので話についていくのが精一杯になってしまう。

加えて、演技も(時間的余裕がないのか)型になっているものが多い。リアクションもあまりできていない。

古墳時代のシーンはいくらでも削れるシーンがあったので10分ぐらい削ってしまうか、そもそも現代のシーンはまるごと削ってしまって、その分余裕を持って演出すれば、ぜんぜん印象が違ったのではないかと思いました。

がんばって演じていたし、よく作り込んでいたと思うのですが、ちょっと時間が足りなかったかな。上演おつかれさまでした。