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学校全体を生徒で分担してワックスがけする全校ワックス。そこでたまたま同じグループになった5人が廊下のワックスがけをしながら織りなす物語。
これまた有名な台本で、去年の新田暁の上演が強烈に印象に残っているのですが、それと比べると劣る印象は拭えませんでした。
去年の感想と多少共通するのですが「掃除が適当すぎ」「廊下の構造が適当すぎ」の2つに尽きると思います。バケツに水を汲んでくるシーンがあるのですが、汲んできた水は一度も使うことなく片付けられます。なんのために汲んできたの? 適当に掃除をすることはそれは高校生だからあるでしょうが、それにしたって「ここまで掃除した」ってものがわからないし、人物によってまじめに掃除する人も適当に掃除する人もいるでしょう。序盤で大家が廊下の窓を開けるジェスチャーがあるのですが、その後で窓より外側を掃除しているのはどうなんでしょう。
この台本は綺麗にワックスがけしたところを汚すことに最大の見せ場があるのです。そのシーンを際立たせるには「綺麗にワックスがけ」する必要があるし、嫌々でもなんでも広い廊下を一生懸命ワックスがけするからこそ「あぁー」というラストシーンにつながるのです。
それと同時並行で人物間の心の距離がだんだんと縮んでいく必要もあります。頑張って上演してはいましたが、台本を活かしきれなかったと言わざる得ないでしょう。