2008年度 群馬県大会
- 場所:安中市文化センター
- 日時:2008年11月8日(土)、9日(日)
- 審査員(敬称略)
- 山中 誠也(俳優 日本工学院専門学校講師)
- 輪湖 洋輔(長野県岡谷南高校 演劇部顧問)
- 向田 悦子(群馬県立中央中等教育学校 教諭)
- 最優秀賞
- 【関東】県立前橋高校「そばや」
- 優秀賞
- 創作脚本賞
全国大会の練習を兼ねていただけあって場内を学生アナウンスしたり、メッセージボード設置したり気合いが入っていました。次期、関東大会開催地になるまで廃止されそうな予感もしますけど(^^ それでも気合いの入った運営をお疲れ様でした。関東大会のお客さん、たくさん入るといいですね。
メッセージボードのある高校の感想で「雑。……何ってすべてが」と書かれていた物があり、ある高校宛には包み隠さない正直な記名感想があったようで、少なくとも2日目の上演を真剣に観て感想を書かれた人がいるようです。この「雑」って書かれた言葉だけみると酷いなと思いますが、実際問題として「そう書かれても仕方のない上演だった」というのは感じました。かなり厳しい話ですが、表現の世界に居る以上、高校生だから許されるなんて基準は存在しません。この言葉は出来映えを批判しているのではなく、取り組む姿勢に対しての怒りだったのですね。(是非は別として)
感想ですが、今年は去年の反省を踏まえ「どうやったら改善するか」ということと「それをどう表現したら上演した生徒本人に伝えられるか」という点に注力して書きました。上演した演劇部の人たちが読んで理解出来るように極力配慮しましたが、おかしなところ、書き方がまずいところ(これでは伝わらない等)があればご指摘・ご批判頂ければ幸いです。表現の仕方や着目点など至らない点は多々あるかと思いますが、何かのお役に立つことを願っています。
2007年11月30日 記
高校名 | 演目 | 結果 |
---|---|---|
前橋南 | コックと窓ふきとねこのいない時間 | 最優秀賞 |
新島学園 | 桜井家の掟 | 優秀賞 |
桐生南 | ハムより薄い | 優秀賞(次点校) |
館林女子 | ANTI- | 創作脚本賞 |
今年は、欠点よりも長所(特に演技力)が評価されたと思います。観客として素直に楽しめたものが上位という感じで、前橋南は断トツの演技力。新島学園はわいわいとした高校演劇らしさのある活力ある劇をきちんと仕上げてきた点などが評価されたのでないでしょうか。桐生南については、顧問の先生ご自身も(ブログによると生徒自身も)不思議に思っているように不思議な点もありますが、欠点をなかったことにしてしまえば、やはり演技力(間の使い方)が評価されたと言っていいのではないかと思います。
比較的目立った欠点がないという意味では、高女、伊勢崎清明(旧伊勢崎女子)あたりが上位かなと思っていまし、逆に前橋南は舞台装置の寂しさと台詞の間という欠点が大きかったので入賞しないかなと思っていました。しかし、結果こうなってみると妥当だと思います。具体例は避けますが、過去(の評価)にはお客として楽しめた舞台と上位入賞の舞台が食い違うということもありましたし、そういう意味では今年はよい選択をしたのではないでしょうか。
ただ一方で、今回の関東大会出場2校を見たとき、このままでは関東を突破出来ないことも間違えないように感じます。欠点を克服してより仕上げることを期待しています。
創作脚本賞について。脚本そのものの完成度というよりは、脚本の着想「腐ってしまう人間」と「腐らない人間」という作りが高く評価された結果だと思います。いまいち題材を生かし切れていないようにも感じますので。
今年の講評ですが、ヨシダ先生(外部審査員)以外の評が例年に比べ甘かった気が。私の感想がキツすぎるという話もありますが。あくまでこちらのポリシーとしての話。
キツいこと言って落ち込ませるのが可哀想ってのも分からなくはないのですが、こと創作において欠点を指摘して改善するチャンスを与えないというのは余計可哀想なんじゃないかと思います。どんなに一生懸命に作ろうと、「意欲」と「根性」と「やる気」があったとしても、顧問の先生が演劇にあまり詳しくないというただそれだけの理由で大会に勝てない高校はたくさんあると思うのです。実際、全国どこをみても顧問が演劇に精通しているところが強いというのは定石になっています。
大会で講評するというのは、そういう不平等をなくす意味合いでも、また公式の大会でコメントをもらうことで自分たちの不足点を振り返るきっかけとするという意味でも大切だと思うんです。普段の部活で顧問の先生からは「気づいてても(生徒との関係を考えると)なかなか言いづらい」とか「言っても届かない」というのがあるかと思いますすが、練習に練習を重ねた大会作品に対する公式な評なら、届くと思うんですけど。――あくまで、理想論に過ぎませんが(汗)