前橋南高校「南流 新陰流怨 ~分裂~」
- 作:吉田 藍(既成扱い/元顧問による創作)
あらすじ・概要
高校分裂をかけて戦う、剣道部男子vs女子の決戦。それに向けた、練習の様子。
感想
新陰流怨と書いて「シンカゲリオン」だそうです。どういう舞台かを説明する前にキャスト表を貼っておきます。
話の筋としては、男女を別々の学校に吸収合併させることの是非をかけ、剣道部男子と女子で戦うというものですが、実際にはそんなことはどうでもよくてエヴァンゲリオンの同人誌ならぬ同人劇です(笑)
登場人物の名前を見ればわかると思うのですが、そのままエヴァのキャラを借りてきて、アスカなど多くのキャラは見た目や髪型も似せて、更に1人はエヴァの女子制服を着ています。台詞もエヴァ劇中からパクってきた台詞の応酬。エヴァ暴走をパクったエピソードも起こります。BGMもエヴァのものを使っています。同人誌と表現するのが一番しっくり来ます。
しかし、これを舞台として見せられますと、辛い。高校演劇の舞台で、同人誌を朗読されたら居たたまれないですが、劇なので朗読以上に居たたまれない(苦笑)
完全にネタ上演だし、ネタとして全力投球しているので、もう何を言うのも野暮というものですが、それでも書くとすれば以下の点です。
- エヴァの知識がない人にはおそらく意味不明。
- 構成を考えるにエヴァのネタ要素をすべて引いても十分成り立ったのでは?
- 同人劇として完成度を高めるなら、全編ただのネタですよと分かる演出をしてもよかったのでは?*1
- そもそも今時の高校生にエヴァ*2なんて通じるの?
剣道部員が居るのか、剣道部に修行に行ったのか分かりませんが、剣道シーンが素人目にはかなり説得力がある演技になっていました。経験者からはツッコミどころもあるのかも知れませんが、動きや見せ方がよく出来ていたと思います。
脚本書いた先生の趣味なのか、生徒側からの要望による脚本なのか、ひたすらそれだけが気になる上演でした。よくこれだけネタに全力投球できたなと称賛します。そのエネルギーはすごい。上演おつかれさまでした!