2013年度 群馬県大会

明和県央高校「アネモネ」

作:小笠原 梢(既成)
潤色:明和県央高校演劇部
演出:橋川 結衣

あらすじ・概要

盲腸で入院している奈美と、見舞いに行く友人達の織りなす物語。

感想

最初ちょっと台詞が聞き取りにくいかなと思いましたが、後半は乗ってきたようでよくなってきました。ただセリフ回しが全体的に早めでリアクションが取れてない印象です。他校にも言えますが、人物がややステレオタイプかなと感じました。声を作りすぎに感じた人物も複数居ました。

声のテンションがほぼ一定で、立板に水のようにさらさらと流れるのであれあれあれ?と置いて行かれそうになります。全体的にセリフ量が多いかもしれません。ラストシーンの花ですが、退院を知らないのになんで持ってきてたんだろう?と思ってしまいました。

県大会初出場ということで、これからも頑張ってほしいなと思います。

まとめ感想 - 2012年度 群馬県大会

  • 有名台本が多かった。
  • 現代劇かつ等身大の高校生(ないしは中学生)という劇が多かった。
  • 結果、印象が似てしまうのは必然で頭の中で少し混ざりそうなところですが、どの上演も個性があった。

前橋南の上演は、完成度はもとより、舞台設定で他と明らかに違うのもポイントだったのかもしれません。明らかに印象に残ってますから。ですが、安易に歴史物や突飛なものに走るのはあまりオススメはしません。純粋に演技・演出力勝負になっているのは別に悪いことではないし、台本をきちんと読みこなし、しっかりと解釈して、それを演出することは難しいけども、それこそ一番大切になことだと個人的には感じています。それに演じてみたいものを演じるのが一番です。

ひとつ感じたことは「県大会に行くつもりで芝居を作らないで、初めから全国大会に行くつもりで芝居を作ってみたらどうかな」ということです。芝居を作りながらふと立ち止まって考えるのです。「この上演ではたして全国に行けるだろうか?」と。

全国が想像つかないなら関東大会でも打倒「前橋南」でも構いませんが、どの学校も実力をかなり付けてきているので、更に上を目指しそのためには何が必要かと考えることも大切なんじゃないかなと思いました。個別具体的にどこをどうするとかいうことも大事ではありますが、その一方で更に上を行く演技・演出をするにはどうしたら良いのか、というような思考も大切ような気もします。

関東大会は観劇に行く予定ですので上演、そして運営も頑張ってください。上演されたすべての学校におつかれさま、そしてありかとうございました。楽しかった。

2012年11月13日 記

2012年度 群馬県大会

まとめ感想 - 2011年度 群馬県大会

近況でも触れましたが、太田フレックス以外は評価の別れる大会だっと思います。そういう意味で太田フレックスが最優秀賞(審査員の間で評価が分かれなかった)なのでしょうか。

感想を書き終えて改めて考えてみると、完成度なら「市立前橋(笛男)」「太田フレ(妄想RUNNING)」の順で3つ目は前橋南か新島か……悩むなという感じ。テーマ的演出なら「太田フレ(妄想RUNNING)」「伊勢崎清明(暗鬼)」で、これまた3つ目は悩むのですが、「高商大附(白犬伝)」か「富岡東(女や~めた!)」かな……。複数の審査員の異なる価値判断が混ざってるので難しいところですが、おそらく今回の審査基準はこれに近いものだと感じています。主題が観客に伝わったかが重要視されたのかも知れませんね。

今年もまた県大会のレベルが底上げされまして、基礎的な演技力ではどの高校もほぼ問題ないレベル。数年前まで声がまともに聞こえない学校もあったし、関東大会でも60分見てるのが辛くなる上演が何校かあったことを考えれば(今はどうか知りませんが)、いかにすごいことであるか。ほんの2年前まで4年連続関東大会出場をしていた新島学園が、決して実力を落としているわけでもないのに2年連続で関東大会にいけなくなってしまった事実が、如実に激戦区であることを表しているようにも感じます。

こうなると「たまたまその年の審査基準で入選を逃す」ことも起きてしまいますが、(こういう種類の作品が評価されやすいぞとか)露骨に関東出場を狙うことなく、自分たちのポリシーを貫いて精一杯上演してもらえればと感じました。

2011年11月15日 記