松本県ケ丘高校「遠藤周作「深い河」より」

  • 原作:遠藤周作
  • 脚色:日下部英司(顧問創作)

妻の余命宣告を受ける男。妻の死後から3年、妻の生まれ変わりを求めて男はインドへと旅立った。

良かった点

  • 照明を効果的に使い、抽象的でダークな舞台をきちんと作り上げていた。
  • 開幕の動作を合わせるシーンの動きが見事にそろっていた。
  • 小道具としての椅子が効果的に使われていた。
  • おじいさんや病気の妻など、動作による演技がとても良かった。

気になった点

  • 抽象劇ということを差し置いても、病院の個室の出入り口がバラバラなのは気になる。例え抽象的だとしても、病室であるその瞬間はリアルであるわけで、(銀杏の木以外は)きちんと1つの出入り口から出入りすべきでは。
  • 場面転換は一瞬だとしても照明を落としても(多少暗くしても)よかったのではないでしょうか。

いろいろ

この手の劇は苦手なのですが、それでも率直な感想を述べたいと思います。

序盤と河に入るシーンで、「動きを合わせる演出」の動きを合わせる意図がよくわかりません。動きを合わせることを見せたかったのはわかりますが、それでも何がしたいんだろうという疑問が残ってしまいました。

そして不条理劇としての男のむなしさが際立って表現されていたのかなと考えると、やや疑問が残ります。意味ありげな元ボランティアの女性の背景を中途半端に描いていたのですが、それ必要だったのでしょうか。主軸がぶれてしまった印象もあるので、もう少し男のフォーカスしても良かったのではないだろうか……とか色々考えましたが、まあ難しいですね。

基礎演技力が高く、演出も終始安定していて、安心して楽しめました。

twitter等でみかけた感想へのリンク

2019年度 群馬県大会

まとめ感想 - 2018年度 群馬県大会

今年はどれも素晴らしい上演でした。中でも、次の学校は個人的にお気に入りです。

最後の「眠れる森の美女」は着想の勝利で、創作脚本賞でも良いんじゃないかと……ダメですか、そうですか。毎年のことですが、どうにも審査員の先生方とは趣味が合いません(苦笑)

なるべく丁寧に感想を書くように心がけましたが、丁寧に書けば書くほど感想書く時間を取られてしまうので、荒い感想がありましたらごめんなさい。後で気づいたら修正しておきます。

昨年は、県内で関東大会があったのですが、都合で行くことができませんでした。以前より都合を付けるのが難しくなっているので、どこまでこの活動を続けられるのか分かりませんが、期待されている限りは(されてるのかは知らない)続けたいです。

話は変わりますが、群馬県はアマチュア劇団が盛んです。元高校演劇部員など結成され、大勢の観客を集めている公演もあります。たまに観に行くことがあるのですが、完成度高くて圧倒されますね。高校生や学生ほど時間が取れない中で、年1回とはいえ結構な完成度の劇を上演しているところみると「すごいな」と純粋思います。

でもそんな人気の上演も、よくよく見るとあちこち荒があります。世間で「高校演劇」と言うと所詮は高校演劇と見られがちですが、高校演劇もぜんぜん負けてないし、むしろ勝ってる部分すらあるんです。色々演劇をみてみても、結構「これはすごい」っていうのは少ないのです。

何が言いたいかと言うと「県大会すごいよ」「県大会に出てるみんなすごいよ」ということです。

そんなすごい素敵な上演を、これからも期待しています。

2018年度 群馬県大会