筑波大坂戸高校「快楽サランラップ ~おいしいお鍋の計りかた~」

久しぶりの筑坂(つくさか)の上演でしたが「ああ、たしかに筑坂ってこんな上演だった」と思い出させる内容の劇でした。同じ埼玉の秩農と並んで関東大会常連校。手前と奥を光のあて方のみで空間を変えて、細かいシーンの区切り(暗転)をテンポよく繋いでいく。技といえば技なんですけども。

今回の上演は、その「暗転時の場つなぎとしての手前シーン」が暗転するのに必要だから入れた以上の意味を感じられませんでした。特に後半はそれが顕著でこのシーン明らかに要らないよね?と感じられるものがいくつもありました。たまたま見た筑坂の上演がそうだったのか、毎年そうなのかはわかりませんが、後者だとしたら自分たちの形式に囚われすぎてそれが逆に足を引っ張っているといえるような気がします。

話の筋は存在しますが、テーマを浮き出させるというよりは、ワイワイガヤガヤこんなのがやりたかったので、気づいたらこんな話筋になっていましたという印象を強く受けました。あとスモーク炊きすぎです。もっとも、やりたいことを全力でやりきったという意味ではとても清々しい上演だったし、特に飽きさせないあたりは基礎演技・演出力の差なのだなと感じました。